浅間、八ヶ岳連峰のふもと

佐久アッセントクラブ

イメージ560*180

 小同心/八ヶ岳 2008/2/16

メンバー:吉田・健
コースタイム
佐久(4:00)〜美濃戸口駐車場発(6:40)〜赤岳鉱泉(8:50)〜樹林帯上部(10:11) 小同心取付き(11:16)〜横岳直下4ピッチ目テラス(14:15)〜横岳山頂(15:55) 〜地蔵尾根下山(17:00)〜美濃戸口(19:15)

《文=健》
 小同心をいつも上から眺めていました。杣沿尾根を登り横岳の付近へ行くと、岩が切り立ちいつも圧倒されていました。そしてここに登るルートがあるとは想像もできませんでした。
 自分の中でバリエーション=『怖いから絶対行かない!』、冬山岩登り=『寒そう・死にそう・・・だから絶対行かない。』 そんな気持ちで毎年山行をこなし今年で3年目になりました。そんな自分のダラダラスタイルが、ちょっとした挑発?と口車に乗り、『連れてってもらえる時行かないと行く時ないなぁ』と思いが変わり、半分好奇心と勢いで計画に乗りました。
 この山行計画が決まって当日まで一週間、ネットで記録を見れば見るほど不安に落ち込み、11月頃から一度もクライミングもしてないこの鈍った体では無理と思い、行く前から気持ちが滑落・撤退をしていました。
 そんな中、会の吉田先輩が『登る前から落ちてどうする!(喝)何事も経験、行ける所まで行って無理ならすぐ撤退できるから行こう!?(優)』と言って下さり、なんとか美濃戸口を発つ事ができました。

朝、『八ヶ岳=極寒い』のイメージでしたが以外に冷え込んではおらず、天気が悪くならないか心配でした。
 赤岳鉱泉まではほとんど林道歩きでしっかりとしたトレースもあり、一級国道でした。
 いつもなら『頭にタオル君、手は軍手チャン!』がお決まりのスタイルですが、今回は厳しくなるべく軽量ということで、タオル君は置き去りにし一応目出し帽を半被り、暑いのといつもと違う雰囲気に調子に乗れない気もしましたが、八ヶ岳稜線が見えると何故か『ワクワクウキウキ!』。 おのずと歩くペースが早くなってしまい、後ろから・・・
吉田 『もっとゆっくり歩こう〜↓』
健  『岩で絶対時間かかってしまうので、怖くない所は早く行きたくて!』
吉田 『じゃー先いってロープ張っといてくれる?』
健  『・・・・すいません、無理ですぅ〜↓』
 と 情けない会話もありながら、一般登山道との分岐である小同心沢をあがり途中から右岸の大同心稜を上がっていきました。
 汗を掻くと稜線に出てから風で冷えてしまう、というアドバイスもありあまり息を上げないようにし、樹林帯の上部へ着きました。
 樹林帯の中でも風が結構当たるらしく、トレースもいつのまにか消え、雪面が綺麗な模様を描いていました。ここまで来るとさすがに冷え込み、身支度も寒冷地仕様にお色直しをし、目の前に見えて来た岩稜向け出発しました。

 まずは、大同心稜の基部から小同心クラックへのトラバース。なんせ正月以来の久々の雪山で少しオドオド・フラフラ(気持ちは迷惑かけないように正常心を保とうとしていましたが…。)。同じトレースを辿ろうとし、岩にくっ付くきすぎて、ヨタヨタ。同じ所を通っているのにバランスの悪いトラバース劇でした。
 今年の小同心は雪が多いと言われて来て見ましたが、ルートも斑に岩が見えラッセルも膝くらいだったので『雪多くはないですね』と発言。
 ところが、それはなにも知らない素人な考えで、実は小同心クラックは雪自体ほとんど付いていない方が普通らしく、今回は支点やホールドが雪の中でリードは結構怖かったそうです。
 フォローでトップロープの自分はそんな怖さも気にせず、ただ早く登らないとの一身で岩に張り付き、アイゼン岩登りの基本『足首はあまり動かさないで踵はさげてアイゼンを決め、しっかり立つ!』を念じながら登っていました。
 2ピッチ目に来ると風も出てきて陽もときより陰り、ちょうど右手に見える阿弥陀岳山頂にもみるみる雲が下って来ており明かに天気が悪くなってきている感じでした。
吉田さん『1ピッチ登れたね〜、帰るかい?(優)』
健(上見て下見て空見て考え)『…もうちょっと行きませんか?』
吉田さん『あいよぉ〜!!』
健(後できっと後悔するのだろうな〜・・と心の中で)『ビレイOKです!』

 途中ザックが邪魔で乗越せない部分があり、リードのザックを残置してセカンドの俺がスリングで引っ掛けて揚げる事になりました。
 小同心クラックで有名な「腰が掛けられる岩」がある所だと思います。自分も怖いので内側(右側)を通ろうとしましたがやはり無理、色々試しましたが結局無理で、しかたなくテラスから外れる左の下はなんも無い壁に体を出し上がることになりました。
 プラプラするザックが自分を下に引き込もうとする子泣き爺のようで自分が泣きそうでした。改めてリードは難しい事を実感。
 そうこうしてようやく横岳の直下に這い上がり唖然。ネットじゃかなり簡単に書いてありましたが、リードの登りをみて一番難しそうな気がしました。 支点がシビアな所で離れてジグザグにしか見付からずランアウトしており、自分はセカンドで回収だけですが気持ちの良くないトラバース気味の乗っ越しでした。


 そんなこんなでようやく横岳山頂に着き感動の握手!?
『本当に来て良かったです。』
 それにしても稜線は寒い・・・山頂について早々に下山を開始しました。一番簡単な硫黄経由も考えましたが、あまりにも時間がかかりすぎるので、地蔵尾根から下山することにしました。
 昔、ここで滑落した方の話などを等聞き心配でしたが、稜線から下山する尾根まで雪がたっぷり付いていてかなり歩き易く、高所での恐怖心から開放されたのもあり元気良く下山することができました。
 夕焼けもピンク色で八ヶ岳が今度は自力で来いよ!と初登頂を祝してくれた気がしました。
 今回の山行を通して、リードの難しさを感じました。そしてリードしなければ登ったとは言えない気持ちにもなりました。4月は恒例の天狗岳東壁もあります。山頂にでるまでリードができるようトレーニングをこれからしていきたいです。

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