2007年に岳沢合宿で西穂高岳に、夏には北尾根から前穂高・奥穂高岳に登りました。
生まれて初めて立った前穂高山頂からの大パノラマは、ホントにすばらしかったです。
なので今年の春山合宿では、昨年行けなかった「奥明神沢から前穂高岳」を登り、
雪の大パノラマも見てみたいと願っていました。
しかし…その意気込みはどこへやら、奥明神沢の上部で、私は早くもびびり虫になっていました。
「こんなの平らだろ〜」「そりゃ気持ちの問題だ」と先輩方は笑いますが、私にとっては充分すぎる程の急斜面。
前穂高沢はさらに斜度を増し、朝日に照らされたその斜面がテカテカと輝くのを見た瞬間、
思わずあの富士山滑落事故(目撃)を思い出して“四点支持”になってしまいました。
さらに、突風もすさまじく、一度身体が持っていかれそうになって怖かったです。
やっとの思いで辿り着いた山頂は強風とガスで展望はなく、
寒さとこれからの下りの緊張で身体が震えましたが、
ロープを出してもらったお陰で無事降りることができました。
山行中、ふと気づくと先輩方が私の斜め下方に位置してくれていて、私はいつも感謝していたのですが、
「下につかれるようじゃダメなんだ」とあっさり言われて、ガクッ!ごもっともです、ハイ。
また一つ念願かなって大満足でしたが、精神面の弱さはもちろん、
急雪面の下り歩行も滑落停止技術も耐風姿勢もまだまだという事がよく分かりました。