メンバー:さいご、こぬぱん(非会員)
何かの本で見た、チンネ左稜線のナイフリッジをトラバースする写真が最高にカッコ良かった。
だから今年の“梅雨明け10日”のゴールデンシーズンは剱岳に決めた。
寝袋とか着替えとか不要なものは削ったハズなのに、荷物をパッキングすると27Kgになった。
「やはりイワシ蒲焼の缶詰は置いていくべきか…」と迷ったが、多少重くなっても飯は妥協しないのだ。
いつものように生米も持った。「いい飯を喰って、いいクライミングをする」は当会のモットー(?)なのだ。
↑立山は美しい。
↑一日目はのんびりと剱沢キャンプ場まで。
テン場の料金を払うと“水に溶けるティッシュ”をくれた。水場もあり快適。
学生の合宿らしき姿が多い。みんな頑張ってるな〜。
↑午前4時、剣沢のテン場を後にする。
剱から伸びる源次郎尾根が美しい。
↑八ッ峰を目指し、剱沢を下る。
長次郎谷に荷物をデポして、今日は八ッ峰でチンネの前哨戦だ。
↑長次郎谷の登り。今回は毎日毎日、雪渓を登り詰めることになる。
クランポンは12本爪を持ってきたのだが、これが正解。ところどころ雪渓が切れていて、前爪を使う場面が多かった。
右に八ッ峰、左が長次郎の頭かな?。
↑当初は一番難しいとされるDフェースを狙い、富山大ルート(V-/6P)へ。
が、しかし、ルートを間違えたのか、腐ったハーケン1個で難しいスラブをランナウトするラインが登場。
Vでこんなに難しいハズがない…、と悩んだが、どうにも進めない。心折れてAフェースへ転戦することになった。
↑転戦した、Aフェース 魚津高ルート(III+/3P)。2P目(40m/III)が、とにかく楽しかった。
↑Aフェース頂上で八ッ峰のポーズを即興で演じる こぬぱん。
雨が降ってきたので、今日はこれで退散することにした。
↑今日も朝から、せっせと長次郎谷を詰めます。
いよいよ憧れのチンネとご対面できるとあって、テンションが上がります。
↑池ノ谷乗越から池ノ谷ガリーを望む。写真では見えないが、この先の池ノ谷ガリーのガレ場はヤバかった。一歩ごとに足元が雪崩のように流れていく。
テレビほどの大きさの石がほぼ浮いていたりするものだから、他のパーティが上にいたら本当に落石が怖い。
前方には小窓の王の姿が見える。三ノ窓までが妙に長く感じた。
↑こちらは、三ノ窓雪渓のトラバース。
時期にもよるけど、12本爪クランポンとアックスは必需品。速いし安全。
↑8:00登攀開始。2P目(IV)のカンテは快適だった。リードしているパートナーからは鼻歌が聞こえてくる。
くぅ〜 おいしいところを持っていかれた〜。(泣)
↑こちらはオイラ。抜けるような空と白い岩肌。これ以上の贅沢があるだろうか!(あるけど)
↑核心の10P目(V)の小ハング。想像していたよりも、あっさりとハングを抜ける。
ルート全体を通してハーケンが随所に残置してあるけど、クラックが多いのでカムも使える。
↑後半3Pは、II〜IIIのナイフリッジのトラバース。
↑13:00登攀終了。チンネの頭で、お約束の記念撮影。ガスっているため、高度感が分からないのが残念。
アプローチを含めて、長かったな〜。
最終日は24Kgを背負って、10時間行動の予定。
まずは、長次郎谷左俣から北方稜線へ抜けて、剱岳本峰へ向かいます。ほとんど雪渓通しで稜線まで出られました。
↑北方稜線はこんな感じ。
ピークをいくつか越えると、おもむろに剱の山頂に飛び出します。
「この先 危険地帯につき 立ち入り禁止」という看板の後ろから登場するものだから、
山頂にいた大勢の登山者が怪訝そうな顔で見つめています…。
↑剱岳(2,999m)山頂。自分の頭は3,000mを越えています(笑)。
本当にいい山だなー。
富山湾を望みながら「海だぁ〜」と長野県民性を丸出し。
↑このあとは“カニのヨコばい”など、名物コースを楽しみながら下山した。
↑名残惜しく、雷鳥沢方面を振り返る。
往路は地獄谷を通ったので、復路は別の道で帰ろう、なんて気軽にチョイスしたら、1時間近く余計に歩くハメになってしまった。
歩けど歩けどターミナルが見えてこない…。
↑下山後の最初の食事は、駅で大好物のソバを食らう。これが死ぬほど旨かった。
帰り道の温泉で「汚すぎるから入浴できません」と断られる伝説をつくろうと思ったのだが、
あっさりと入浴させていただいた。サンクスです。
今回のルートは、体力的にも、難度的にも、とても充実していた。
登ったり降りたり結構たいへんだったけど、また来たいなぁ。誰かパートナー組んでくれるかなぁー?