剱岳 チンネ左稜線 八ッ峰VI峰 登攀

2010年8月2日〜5日

文=さいご

メンバー:さいご、こぬぱん(非会員)

8月2日 1日目 室堂〜剣沢キャンプ場

何かの本で見た、チンネ左稜線のナイフリッジをトラバースする写真が最高にカッコ良かった。
だから今年の“梅雨明け10日”のゴールデンシーズンは剱岳に決めた。

寝袋とか着替えとか不要なものは削ったハズなのに、荷物をパッキングすると27Kgになった。
「やはりイワシ蒲焼の缶詰は置いていくべきか…」と迷ったが、多少重くなっても飯は妥協しないのだ。
いつものように生米も持った。「いい飯を喰って、いいクライミングをする」は当会のモットー(?)なのだ。

剱岳 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑立山は美しい。

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 ↑一日目はのんびりと剱沢キャンプ場まで。
 テン場の料金を払うと“水に溶けるティッシュ”をくれた。水場もあり快適。
 学生の合宿らしき姿が多い。みんな頑張ってるな〜。


8月3日 2日目 剣沢キャンプ場〜八ッ峰VI峰〜真砂沢

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 ↑午前4時、剣沢のテン場を後にする。
 剱から伸びる源次郎尾根が美しい。

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 ↑八ッ峰を目指し、剱沢を下る。
 長次郎谷に荷物をデポして、今日は八ッ峰でチンネの前哨戦だ。

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 ↑長次郎谷の登り。今回は毎日毎日、雪渓を登り詰めることになる。
 クランポンは12本爪を持ってきたのだが、これが正解。ところどころ雪渓が切れていて、前爪を使う場面が多かった。
 右に八ッ峰、左が長次郎の頭かな?。

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 ↑当初は一番難しいとされるDフェースを狙い、富山大ルート(V-/6P)へ。
 が、しかし、ルートを間違えたのか、腐ったハーケン1個で難しいスラブをランナウトするラインが登場。
 Vでこんなに難しいハズがない…、と悩んだが、どうにも進めない。心折れてAフェースへ転戦することになった。

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 ↑転戦した、Aフェース 魚津高ルート(III+/3P)。2P目(40m/III)が、とにかく楽しかった。

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 ↑Aフェース頂上で八ッ峰のポーズを即興で演じる こぬぱん。
 雨が降ってきたので、今日はこれで退散することにした。


8月4日 3日目 チンネ左稜線(V/13P)

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 ↑今日も朝から、せっせと長次郎谷を詰めます。
 いよいよ憧れのチンネとご対面できるとあって、テンションが上がります。

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 ↑池ノ谷乗越から池ノ谷ガリーを望む。写真では見えないが、この先の池ノ谷ガリーのガレ場はヤバかった。一歩ごとに足元が雪崩のように流れていく。
 テレビほどの大きさの石がほぼ浮いていたりするものだから、他のパーティが上にいたら本当に落石が怖い。
 前方には小窓の王の姿が見える。三ノ窓までが妙に長く感じた。

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 ↑こちらは、三ノ窓雪渓のトラバース。
 時期にもよるけど、12本爪クランポンとアックスは必需品。速いし安全。

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 ↑8:00登攀開始。2P目(IV)のカンテは快適だった。リードしているパートナーからは鼻歌が聞こえてくる。
 くぅ〜 おいしいところを持っていかれた〜。(泣)

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 ↑こちらはオイラ。抜けるような空と白い岩肌。これ以上の贅沢があるだろうか!(あるけど)

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 ↑核心の10P目(V)の小ハング。想像していたよりも、あっさりとハングを抜ける。
 ルート全体を通してハーケンが随所に残置してあるけど、クラックが多いのでカムも使える。

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 ↑後半3Pは、II〜IIIのナイフリッジのトラバース。

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 ↑13:00登攀終了。チンネの頭で、お約束の記念撮影。ガスっているため、高度感が分からないのが残念。
 アプローチを含めて、長かったな〜。


8月5日 4日目 剱岳本峰〜下山

最終日は24Kgを背負って、10時間行動の予定。
まずは、長次郎谷左俣から北方稜線へ抜けて、剱岳本峰へ向かいます。ほとんど雪渓通しで稜線まで出られました。

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 ↑北方稜線はこんな感じ。
 ピークをいくつか越えると、おもむろに剱の山頂に飛び出します。
 「この先 危険地帯につき 立ち入り禁止」という看板の後ろから登場するものだから、
 山頂にいた大勢の登山者が怪訝そうな顔で見つめています…。

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 ↑剱岳(2,999m)山頂。自分の頭は3,000mを越えています(笑)。
 本当にいい山だなー。
 富山湾を望みながら「海だぁ〜」と長野県民性を丸出し。

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 ↑このあとは“カニのヨコばい”など、名物コースを楽しみながら下山した。

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 ↑名残惜しく、雷鳥沢方面を振り返る。
 往路は地獄谷を通ったので、復路は別の道で帰ろう、なんて気軽にチョイスしたら、1時間近く余計に歩くハメになってしまった。
 歩けど歩けどターミナルが見えてこない…。

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 ↑下山後の最初の食事は、駅で大好物のソバを食らう。これが死ぬほど旨かった。
 帰り道の温泉で「汚すぎるから入浴できません」と断られる伝説をつくろうと思ったのだが、
 あっさりと入浴させていただいた。サンクスです。

 今回のルートは、体力的にも、難度的にも、とても充実していた。
 登ったり降りたり結構たいへんだったけど、また来たいなぁ。誰かパートナー組んでくれるかなぁー?


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