奥穂高岳〜西穂高岳 縦走

2010年9月1日(水)〜2日(木)

メンバー:さいご(単独)
※この記録は、あくまで個人の感想です。特定の登山方法を推奨したり、ルートの安全性を保障するものではありません。

1日目 上高地〜岳沢〜前穂高岳〜奥穂高岳〜穂高岳山荘(幕営)

 2日間の休みが取れた。
クライミングの相棒は韓国のインスボンへ行ってしまっているので、独りで縦走へ行くことにした。

時刻場所
3:45佐久市発
5:20-5:45沢渡
6:20上高地
8:20-8:30岳沢ヒュッテ
10:10-10:20紀美子平
10:45-10:50前穂高岳
11:05-11:15紀美子平
12:30-12:50奥穂高岳
13:15穂高岳山荘(幕営)

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑写真は、岳沢小屋の屋根でふとんを干す、小屋番のみなさん。女子多し。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑重太郎新道は、登るのも大変だし下るのも厄介。
岩が濡れていなくてよかった。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑上高地から3時間50分、紀美子平に到着。朝は快晴だったが、ガスの発生が早い。雨の匂いはなく、乾いている。
前穂高岳(3,090m)へピストンに行く。山頂では眺望もなく、仕方なく山頂標識の写真を撮って空しく下る。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑吊尾根は稜線歩き+プチ岩登り。
1時間15分ほどで、奥穂高岳(3,190m)に到着。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑ジャン様、久しぶり〜♪

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑今日のお宿は、穂高岳山荘。前穂北尾根をバックに、愛用のヘリテイジのツェルト。
今日も美しく張れたな…、とコーヒー片手にツェルトを眺めてニヤニヤする自分。ほとんど変態だな、オレ。

 日没の風景は、涸沢側より西穂側がきれい。ジャンダルムの西面が赤い輪郭になったころ、 にわかに沸き立った積雲が斜陽を柔らかく透過して、空一面がバニラ・スカイになった。
あまりにも一瞬で美しくて「息を呑む」とは、こういうことかと思った。


2日目 穂高岳山荘〜奥穂高岳〜西穂高岳〜上高地

時刻場所
4:00穂高岳山荘発
4:45-5:00奥穂高岳(3,190m)
5:40-5:50ジャンダルム(3,163m)
6:41-6:50天狗のコル
7:08天狗ノ頭
7:37間ノ岳(2,907m)
8:28-8:45西穂高岳(2,909m)
9:05ピラミッドピーク
9:18-9:23西穂独標
10:01-10:10西穂山荘
11:50上高地 帝国ホテル前バス停
12:25沢渡

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑4:00に出発。奥穂高岳山頂でご来光を拝む。
明るくなるのを待ってから、西穂へと歩き始めた。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑このルートは、奥穂〜ジャンダルムまでが核心だと思う。
馬ノ背から、ロバの耳、ジャンダルムへのトラバースあたりが、体が慣れていないせいか緊張する。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑ルートファインディングは、こういうルートの楽しみのひとつだ。
このルートにもクセというか特徴がある。
トポを見ると「信州側を巻く」とか「飛騨側を巻く」など、はっきり迂回する場所もあるが、それ以外は稜線を真っ直ぐ進むと考えていい。
ガレたルンゼに誘う踏み跡が随所にあるが、安易に降りてはいけない。印を見失っても正面の岩を直登すると、また印が出てきたりする。
「迷ったら直登」を頭においておくと、ほとんど迷わない。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑40分でジャンダルム(3,163m)へ。
オッサンの単独行という、同じ境遇の方に会う。お互いのカメラのシャッターを押しあう(笑)。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑コブ尾根ノ頭まではクサリ場が連続する。浮石が多いので注意しながら進む。
その後の畳岩尾根は砂礫やガレた足場が続く。緊張感がとけてくる頃なので、集中するように注意する。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑天狗のコルには、避難小屋の跡がある。ここから岳沢へエスケープも可能だ。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑天狗ノ頭を過ぎると、逆層帯のスラブが登場。写真は振り返ったところ。
集中力が落ちてきたので、ハイテク食品のカーボショッツ(コーラ味)を口にする。
山の上でコーラの味が堪能できるなんて、画期的だな…。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑間ノ岳から先は、あまり印象に残っていない。登ったり降りたり繰り返しているうちに、西穂高岳が現れる。
てっぺんに人が立っていて、カッコいい。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑奥穂高岳から3時間半で西穂高岳(2,909m)に到着。
写真は、西穂山頂から焼岳方面を望む。左下にはこれから下る上高地が見えている。暑いんだろうな。

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 ↑西穂から1時間15分で西穂山荘に到着。
ちょうど、荷揚げのヘリが到着したところ。登山客に大喝采だった。

上高地へ下る途中、外国人の女性に声をかけられる。
西穂山荘までの歩行時間は悠に1時間はあると伝えると、力を落としていた。NZから独りで旅行しているという。
こんな所でバテているのに西穂高岳まで行きたいというので、そういえば山荘に外国人のナイスガイが小屋番していたことを思い出し 「そいつに相談したらいいかも」と言ったら納得して登っていった。

11:50に帝国ホテル前に到着。目安にしていた「昼までに上高地」を達成して、満足感に浸る。
下山後の最初の食事は、今日もやはり蕎麦だった。


番外 装備編

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

↑今回の持ち物一式

●ザック OSPREY ストラトス40 (40L / 1,300g)
 1,000gのアタックザックもあるけど、背負い心地の良さで今回はコレ。

●ツェルト ヘリテイジ・スーパーツェルトM+ポールセット (530g+250g)
 テントもエスパースなら、ツェルトもヘリテイジが秀逸。
 稜線で張るならポールが必要。専用ポールならストック2本分の半分の軽さになる。

●マットレス THERMAREST リッジレスト・スモール (119cm / 260g)
 モンベルのマットレス(120cm / 435g)をずっと使っていたけど、今はコレ。リッジレストのほうが軽くて暖かい。
 ザックの外に付けたくないので、かさ張るけどザックの内側に沿って丸く入れる。

●銀マット (90x200x1mm / 180g)
 グランドシート代わりに、軽い銀マット。ツェルトは底が濡れて冷たいので、保温効果も期待して。

●水筒 プラティパス2.5L(36g)&1.0L(24g)
 お馴染みの“ぺしゃんこ水筒”。行動中は飲料用に1.5L、予備に1.0L携行する。

●クッカー スノーピーク・ソロセット極チタン (830ml+330ml / 155g)
 今回の食事は、お湯を沸かすだけ。

●ストーブ スノーピーク・ギガパワーマイクロマックスU.L. (56g)
 小さくても2,800Kcal/hのハイパワー。使えます。

●ガス 使いかけの110缶 (200g)
 調理に使うのは、夕食=600cc、朝食=500ccのお湯を沸かすだけ。固形燃料でもよかったかも。

●食器 スノーピーク・チタン先割れスプーン・ショート (15g)
 短い先割れスプーンは万能選手。

●レインウェア パタゴニア・レインシャドージャケット(W's-L 326g)+モンベル・レインダンサーパンツ(W's L-L 248g)

●防寒着 ダウンジャケット パタゴニア・ダウンセーター (S 312g)
 フリースは持たずに、保温力重視でダウンジャケット。

●ウィンドストッパー パタゴニア・ナイントレイルズジャケット (M 130g)
 パンツのカーゴポケットにつっこんでおけるコンパクトさ。夏にフード付モデルは不要。

●ベースレイヤー パタゴニア・キャプリーン3 (S 260g)
 下着の予備、兼、夜の防寒着。

●シュラフカバー モンベル・ゴアテックス3レイヤー (496g)
 2レイヤーの軽いヤツと迷ったが、今回は保温性を考えて3レイヤー。

●補助ロープ (6mmX15m / 369g)
 “一般道”だけど、このルートなら持って行きます。

●カラビナ&スリング (安環x2、180cm、120cm / 212g)
 バリエーションルートでなくても、いつも持っています。

●エマージェンシーキット

●ヘッドランプ ブラックダイヤモンド・スポット (1w / 85g)
 コストパフォーマンスが良いのでお気に入り。ヘッ電は1wの出力があったほうがいい。

●ラジオ

●雷検知器 ストライクアラート (75g)
 必需品ではないけど、実用性を検証中なので持参した。

●カメラ

●携帯電話と財布

●地形図、コンパス、トポ
 ジップロックに入れて防水。マップケースなんか買わなくていい。
 トポは、「北アルプス登山案内 南部編/山と渓谷社」115Pの小さいトポが役に立つ。

●水に溶けるティッシュ

●日焼け止め

●ヘルメット マムート・トライポッド (250g)

●純綿軍手1双
 調理用。間違ってもクサリ場では使わない。

●食料 (1.3Kg)

●水 (2.5L)

以上が持ち物の全リスト。パッキングしたら、ぴったり10.0Kgになった。か、軽い…。

=使わなかったアイテム=
エマージェンシーキット、ロープ、ビナ、スリング、ティッシュ。


おまけ 食料編

ジャンダルム 長野 山岳会 佐久アッセントクラブ

 名称カロリー重量個数
夕食海鮮おこわ (アルファ米)355Kcal114g1個
ツナ オイル漬け188Kcal97g1個
みそ汁 (フリーズドライ)48Kcal30g1個
コーヒー (インスタント)58Kcal14g2個
さきいか燻製67Kcal26g1袋
朝食ラーメン (インスタント)327Kcal84g1個
もち (サトウの切り餅)116Kcal50g2個
行動食おにぎり170Kcal110g2個
菓子パン6個入726Kcal223g1袋
惣菜パン5個入945Kcal210g1袋
ミックスナッツ330Kcal100g1袋
粉末飲料 アミノバリュー8000 (1L用)179Kcal50g2袋
粉末サプリ アミノバイタル220012Kcal3g2袋
非常食カーボショッツ117Kcal47g1個
サバスPIT170Kcal75g1個
1本満足バー (バナナケーキ)182Kcal47g1個

食事は、朝+行動食+夕食=2,500Kcal以上を目安にしている。
本当はもっと食べないと、日に日に痩せていきます。


HOME
copyright © 佐久アッセントクラブ SAKU Ascent Club