穂高岳・屏風岩 登攀

2012年9月20〜22日

文=さいご

メンバー:さいご(CL)、舩杉(伊那山仲間)

9月20日(1日目)

06:57(上高地)−09:43〜10:40(横尾・幕営)−12:10〜12:30(T4尾根基部) −14:00(T4〜T2偵察)−16:00〜16:15(T4尾根基部)−17:05(横尾)

伊那山仲間所属の舩杉さんと屏風岩に行きました。
横尾をベースに、雲稜ルートと東稜ルートの2本をやる予定です。

屏風岩

↑ちょうど天気の良い期間をピンポイントで捉えたようです。
 秋晴れのなか、まずは偵察に出かけます。
 渇水期なので渡渉も問題なし。1ルンゼを詰めていくと正面に屏風岩東壁が迫ってきました。

屏風岩

↑オレンジのラインが雲稜ルートです。エイドを1ピッチ含む、6P / V+ A1。

屏風岩

↑T4尾根ルート(4P / V-)・1P(IV)
 屏風岩は下部岩壁と上部岩壁に分かれ、東壁のルートへアプローチするにはT4尾根を利用します。

 東稜ルートの取り付きでもあるT2まで偵察して、この日は快適な横尾へ帰着しました。


9月21日(2日目)

04:10(横尾発)−04:47〜08:10(1ルンゼ岩小舎・待機)−08:40(横尾)

12:00(横尾)−13:20〜13:30(T4尾根基部)−15:00(T4・ビバーク)

屏風岩

↑気合十分で出発するものの、天気図からは予想できなかった雨が・・・(泣)。
 天気は回復すると信じて1ルンゼの岩小舎で待機。寒かったので火を焚いて暖をとる。

屏風岩

↑なんなんでしょうか!? この愛らしさ。 イイズナでしょうか。
 T4尾根の基部で準備していたら、ひょっこり現れました。

屏風岩

↑昼前には雨が止み、徐々に岩が乾いてきました。
 今日はルートはあきらめ、T4でビバークして明日に備えます。

屏風岩

↑快適なT4テラスでのビバーク。
 後から、ソロの男性が上がってきて満員御礼。


9月22日(3日目)

05:50(雲稜ルート取付)−10:00(6P終了点)−11:40〜12:10(T4) −13:10〜13:20(T4尾根基部)−14:10〜14:45(横尾・撤収)−17:15(上高地)

屏風岩

↑いよいよ雲稜ルート(6P / V+ A1)の登攀です。
 1P(V)は小ハング越えに奮闘してしまいました。

屏風岩

↑2P(V+)のスタートは恐怖のトラバースから細かいフェイスへ。
 このルートでは一番難しいピッチではないでしょうか。

屏風岩

↑ナチュプロも使えず、ランナウト必至です。
 パートナーは私より強いクライマーなので、ぐいぐい登っていきます。

屏風岩

↑3P(A1)は、唯一のエイドのピッチ。ときどきフリーで突破していきます。
 後日、会の先輩に聞いたところ『昔はピンの上につま先立ちして、ようやく次のピンに届いた』とか。
 今はボルトが乱打されていて、そんなことにはなりませんが、ボルトもスリングも年代物なので注意。

屏風岩

↑5P(V+)はスラブが主体です。写真だと歩けるように見えますが、かなりの斜度はあります。
 べったり濡れていて滑りまくり、恥ずかしながらA0でクリア。

屏風岩

↑6P目(IV)は引き続きルンゼ状のスラブ。
 今回は同ルートを下降するので、ここで終了としました。
 なお、下降は扇岩テラスまで降りたら隣の蒼稜ルートを懸垂下降すると直線的で早いです。

T4尾根の下降では、下から続々とパーティが上がってきて順番待ちに。
T4尾根は石が落ちやすいので注意が必要です。

 さて、初めての屏風岩は、総合力の必要なルートで気を遣いましたが、爽快で楽しかったです。
所属の違う山岳会の方とパートナーを組んだことも、いい経験になりました。
これをひとつのステップに、また違う山域にも行きたいですね。

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