最新情報

参加者説明会のご案内

◆2009年5月19日(火)
      19:00-20:00

佐久勤労者福祉センター

 ハイキングに参加ご希望の方は、必ず説明会にご出席ください。
 やむをえず説明会に出席できない場合は、各コース責任者または実行委員会へ事前にご連絡ください。

※当日の服装や装備などが不備で安全性に問題がある場合は、残念ながら参加することができない場合があります。

後 援

2008年報告書

1. はじめに

 第33回「佐久地方の野山を美しくする日」クリーンハイキングの報告にあたり、皆様のご参加ご協力に対し、心よりお礼申し上げます。

 6月5日は環境の日です。これは、1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められたもので、 国連では6月5日を「世界環境デー」と定め、日本では「環境基本法」により「環境の日」と定めています。 そして、6月の一ヶ月間は環境省の主唱により「環境月間」とし、各地で様々な行事が行われています。

 さて、佐久地方ではいまから40年前(1968年)に、地元山岳会によって山での清掃活動が始められました。 当時はまだ「ごみはごみ箱へ」が一般的であり、ごみ箱を設置すれば山はきれいになると思われていました。 しかし、ゴミ箱の周辺はごみが散乱しひどくなるばかりでした。 きれいな場所に心無い一部の人がごみを捨て始めると、そこにごみの山ができ、さらにごみが捨てられるという悪循環になってしまいました。

 そこで私達は山をきれいにするには、ひとりひとりが自分で出したごみは自分で持ち帰らなければならないという原点に立ち返り、「ごみ持ち帰り運動」を発展させてきました。
 当初は、山岳会独自で行っていたクリーンハイキングも、現在では県下各地はもとより、全国的に6月5日の世界環境デーに併せて統一行動をとる、 一斉クリーンハイキングとして定着しました。

 私たちがクリーンハイキングを行う意義は、自分たちの手で少しでも美しい自然を取り戻したいということにあります。
 環境月間であるこの時期に、関係自治体等のご支援ご協力をいただき、趣旨に賛同し参加していただいた広範な人達と共に 「佐久地方の野山の自然を子供たちに残そう!」・「ごみ持ち帰り運動の輪を広げよう!」のスローガンのもと、この活動を広く市民運動として今後に継続させていきたいと思います。
 今後とも、ご支援ご協力のほどを併せてお願い申し上げます。

実行委員長 坂本昌士

2. クリーンハイキングの概要

 第33回「佐久地方の野山を美しくする日」クリーンハイキングは、関係自治体、諸団体、地域住民への呼びかけを行い、7コース134名の皆さんの参加により実施することができました。

 今回収集したごみの総量は95kgですが、特に登山口や駐車スペース周辺でのゴミが多かったようです。
 これまでの累計を見ますと、参加者で4,483名、ゴミ収集量は玉ねぎ袋に換算して2,902袋+重量で589.25kgにもなりました。

 なお今回収集したゴミは、各地域の市町村の協力により分別後、処理をお願いいたしました。
 そのほかにも、長野県勤労者山岳連盟では長野県下で、日本勤労者山岳連盟では全国の山々で清掃活動を実施しています。

1975〜2008年 集計表

今回までの経過は次のとおりです。 ※第26回より収集量を重量に変更しました。
回数年度コース参加人数ごみ収集量
第1〜10回1975〜1985年6〜10コース1,379名2,033袋
第11〜15回1986〜1990年10〜11コース786名403袋
第16〜20回1991〜1995年11〜12コース742名262袋
第21〜25回1996〜2000年12コース630名204袋
第26回2001年12コース116名77.2kg
第27回2002年11コース200名72.4kg
第28回2003年9コース66名77.3kg
第29回2004年10コース106名74.4kg
第30回2005年9コース129名60.9kg
第31回2006年8コース114名88.3kg
第32回2007年7コース81名43.75kg
第33回2008年7コース134名95.0kg
収集量累計 2902袋+589.25kg
参加者累計 4,483名

3. 第33回クリーンハイキング コース別内訳表

実施コース参加人数可燃物ビンカンその他計(kg)
@蓼科山16名2.20.82.41.06.4
Aみどり池19名3.01.62.01.07.6
B黒斑山15名3.00.10.103.2
C石尊山28名02.14.62.08.7
D平尾山25名0002.22.2
E茂来山18名0.55.542.55.053.5
F十文字峠13名1.71.510.2013.4
134名10.4kg11.6kg61.8kg11.2kg95.0kg

4. 参加団体および人員

団体名参加人数
佐久山の会14名
上田コマクサ山の会4名
佐久アッセントクラブ31名
こぶし山の会1名
クライミングメイト山の子5名
浅間山麓国際自然学校2名
川西山の会1名
東信森林管理署3名
佐久しゃくなげ山の会3名

5. 地域別参加人員

地域参加人数
佐久市67名
小諸市4名
上田市31名
長野市1名
軽井沢町5名
御代田町2名
佐久穂町1名
小海町3名
南牧村3名
南相木村1名
伊那市5名
富士見町2名
飯綱町1名
飯田市3名
千曲市3名
松本市1名
小布施町5名
県外2名
佐久穂町1名
134名

6. 主催および主管

【主 催】 長野県勤労者山岳連盟
【主 管】 「佐久地方の野山を美しくする日」実行委員会
(佐久山の会・佐久アッセントクラブ・川西山の会・佐久しゃくなげ山の会・クライミングメイト山の子)

7. 後援団体

小諸市、佐久市、軽井沢町、御代田町、立科町、佐久穂町、小海町、川上村、南牧村、南相木村、北相木村、 東信森林管理署、信州豊かな環境づくり県民会議、豊かな環境づくり佐久地域会議、八ヶ岳を美しくする会、 軽井沢高原を美しくする会、白樺高原を美しくする会、長野県自然保護連盟、浅間山麓国際自然学校 (順不同)

8. 協力団体

蓼科山荘、蓼科山頂ヒュッテ、しらびそ小屋、稲子湯、高峰高原ホテル、十文字小屋 (順不同)

9. 各コースの状況および参加者の感想

◆蓼科山コース
佐久合同庁舎発(7:45) - 七合目(8:50〜9:05) - 将軍平(10:45〜11:00) - 蓼科山(11:30〜13:00) - 将軍平(14:00〜14:20) - 七合目(15:20〜15:35) - 佐久合同庁舎解散(16:30)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・登山道のゴミは少なくなってきている。蓼科山のゴミは山頂が最も多い。 山頂の石下に古い物から新しい物まで、故意にというよりは落としてしまい拾えずに置き去られているようであった。
山頂のゴミ拾いにパワーを集中した方がいい。トングが細部に届いて便利だった。
・7合目トイレ周辺も飴のゴミが多くあった。下山してトイレで一休みし、気が抜けて落とす事も多いのかと感じた。
・ゴミの処理は立科町役場環境整備課の方と連絡を取り、町で引き受けていただいた。

【参加者の感想】
・お天気に恵まれ、様々な年齢・経験の人が集まっていて、出会いが楽しかった。森林インストラクターによる話が大変よかった。
・雪道は初めてで緊張した。
・山頂の岩中のゴミの多さに驚いた。

◆みどり池コース
小海町福祉センター発(7:30) - 唐沢橋登山口(8:00〜8:20) - みどり池(10:30〜14:15) - 唐沢橋登山口(15:00〜15:30) - 小海町福祉センター解散(16:00)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・特に唐沢橋登山口の駐車場周辺のゴミが相変わらず多い。その他登山道には大きな目立ったゴミはない。
・登山道の目印のためにつけている赤テープが劣化して千切れてゴミになっている。赤布等に変更できないか。関係諸団体との協議が必要。
・回収したゴミは小海生活環境課の指示で八耶池公民館に届けた。分別しても汚れがひどく資源にはならないので、一緒でよいという指示だった。

【参加者の感想】
・何回も参加しているが、ゴミの量が減ってきているのは長い間取り組んできた クリーンハイキングの実績とゴミ持ち帰り運動の啓蒙活動が浸透している結果だと思う。
また、ゴミを減らす事は今地球規模で問題になっているCO2削減や地球温暖化の問題に対してもとても重要だと思う。 来年も是非参加したいと思う。

◆黒斑山コース
小諸市役所発(7:30) - 車坂峠(8:30) - 黒斑山頂(11:20〜12:20) - 車坂峠(14:00) - 小諸市役所解散(14:50)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・ゴミは少ない。故意に捨てたと思われる物はなく、古い物がほとんどであった。
変わったゴミとして、登山靴の靴底があった。この靴を履いていた人はどうしたのだろうか?
・浅間山麓国際自然学校のスタッフ2名とインタープリター2名が参加してくれ、周辺の自然環境などについて詳しい説明をしてくれた。 おかげで楽しくハイキングする事ができた。

【参加者の感想】
・とても楽しいハイキングだった。また参加したい。

◆石尊山コース
しなの鉄道信濃追分駅発(7:30) - 登山口(8:00) - 石尊山(11:30〜12:20) - 登山口(15:00) - 信濃追分駅解散(15:30)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・全体にゴミは少ない。登山口に古いゴミが多かった。すべて埋め立てゴミとなった。
・東信森林管理署の森林官が参加。昨年の台風9号の被害状況や森林・濁川源泉のphの測定(5.5)等について説明・指導・協力してくれた。

【参加者の感想】
・濁川源泉に行く事ができ、その水を飲んだり、鉄分や二酸化炭素が含まれる事を知り、phも測ってみたりして、大変興味深く勉強になった。
・ゴミは少なかったが、自然観察や植物の説明もしてもらい、覚える事ができて良かった。
・往路で足がつってしまったが、芍薬甘草湯を飲ませていただき、10分ほどで効いてきて、帰りは調子よく帰る事ができた。ありがたかった。
・下山後FM軽井沢の取材をうけた。マスコミにも注目されていると知り、緊張した。

◆平尾山コース
佐久市役所発(10:05) - 登山口(10:25〜10:45) - 平尾山(12:00〜13:00) - 登山口(13:40) - 佐久市役所解散(14:10)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・郷愁の小径登山道にはほとんどゴミは見あたらなかった。山頂の展望台付近・パラダスキー場の展望台へのゲレンデにあったゴミを回収した。
・ゲレンデのゴミが多かったので、ゴミ処理は平尾山開発(パラダ)にお願いしてもいいのではないか。
・途中、まむしがいた。参加者への注意を十分に行った。

【参加者の感想】
・クリーンハイキングに参加したくても市の清掃の日と重なってなかなか参加できなかったが、出発時刻の遅いこのコースがあったので、よかった。子どもと一緒に楽しくゴミを拾えた。
・山頂でいただいたお味噌汁がとてもおいしかった。普段あまり飲まない子ども達も、喜んで食べていた。

◆茂来山コース
佐久穂町役場発(7:40) - 霧久保登山口(8:10) - 茂来山(11:10〜12:20) - 登山口(14:50) - 佐久穂町役場解散(15:10)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・山頂付近でキャンプ・焚き火の跡があり、燃えかすや貝殻等のゴミが少しあった。登山道には、ポケットから落ちたと思われる飴袋が少しあった。
・駐車場には不法投棄のゴミがあり、拾えるだけ拾ってきた。そのため、金属のゴミが多くなった。
・森林管理署の職員も2名参加してくれた。
・役場では快くゴミを引き取っていただき、ありがたかった。

【参加者の感想】
・ゴミ拾いだけでなく、植物の観察などもさせていただき、山に親しめてよかった。
・佐久に住んでいるが、初めて茂来山に登れた。浅間山から八ヶ岳まで絶景も見えてうれしかった。
・不法投棄のゴミは土を被せて分からないようにしてあった。どうして山に捨てるんだろう。

◆十文字峠コース
佐久合同庁舎発(6:40) - 毛無平(8:00〜8:30) - 十文字峠(11:30〜12:30) - 毛無平(14:20〜14:40) - 佐久合同庁舎解散(16:30)

【ゴミの散乱状況及び特記事項】
・駐車場付近及び脇道にゴミが多数あり、登山道にはほとんどない。
・数年前に埋めたと思われる缶類・びん・プラスチック類を掘り出し、回収した。
・川上村役場より指定のゴミ袋を提供してもらい、可燃物と不燃物にまとめた。収集したゴミは毛木平駐車場内のトイレ脇に置くよう指示を受けた。

【参加者の感想】
・登山者のマナーが良くなったようで、ゴミの量が数年前と比べ少なくなったように思われる。
・ゴミを回収しながらの山行だったが、新緑の樹林帯の中を歩いたりシャクナゲの花を見たりできてとても楽しかった。
・ゴミを拾いながら歩いていると、他の登山者からも「ありがとうございます」「ご苦労様です」と感謝の言葉をもらい、うれしかった。『佐久地方の野山を美しくする日』という目的の啓発運動になったと思う。

10. まとめ

 第33回クリーンハイキングは事故もなく無事に終了することができました。
 各自治体、関係諸団体をはじめ多くの皆様のご支援ご協力に対し、心より感謝申し上げます。

 今回のクリーンハイキングは、7コース143名の方々がご参加くださいました。
地元の皆さんはもとより、県下各地をはじめ、東京都・神奈川県・埼玉県などからも参加いただいています。 そして毎年のこの行事を楽しみにしている人達も増えており、ゆっくりではあるけれども、 確実にこの佐久の地域に根付き、その声は佐久地域の山を愛する県外の人達へと届いています。

私達が毎年クリーンハイキングを行っている地域では着実にゴミの量が減ってきており、 美しい自然の中でハイキングができることは大変喜ばしいことです。

 しかし他の山域や自然の中では、まだまだこうした気持ちの良い状態になっている所は少ないでしょう。 私たちはこの美しい自然を子供たちに伝えていくために、一人でも多くの自然愛好者に「自分で出したゴミは自分で持ち帰る」 というゴミ持ち帰り運動を広げていき、たとえ地味ではあっても次代へとこの運動を継続していくつもりです。

 さらには、この活動を通じて地球規模での環境問題へと関心が高まれば幸いと考えています。
 今後とも、皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

「佐久地方の野山を美しくする日」実行委員会